八ヶ岳(阿弥陀岳・中岳・赤岳・横岳・硫黄岳)

【6月23日 フラワートレック第11弾!八ヶ岳のツクモグサ・1日目】

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赤岳山頂にて


益子4:00発~美濃戸口8:00発~美濃戸山荘9:00着9:05発~
行者小屋11:20着(昼食)12:00発~阿弥陀岳14:00着14:10発
~中岳14:55着15:00発~赤岳16:00着~赤岳頂上山荘(泊)



美濃戸に続く林道は「満車につき閉鎖」されていました。
日曜日なのだから当然考えられる事態なのにそのカケラも頭になかったなんて、
何てオバカさんなんでしょう。
渋々砂利道を歩きます。

1時間で美濃戸に着きます。
ここは、
細い流れの柳川南沢を辿って行者小屋に向う登山道と、
堰堤広場まで車道を歩いてから太い流れの柳川北沢沿いに赤岳鉱泉に向う
登山道との分岐点です。
小さな尾根を挟んでいるだけなのに、
南沢は狭隘な陰樹(針葉樹林ばかりではない)の森、
もう一方の北沢は開豁な広葉樹林(ばかりではない)の森、
と強引に大別してしまうと分かりやすいでしょうか?


私たちの今回の山旅の目的の1つにホテイランとイチヨウランがあります。
この花たちは陰樹の森を好みます。

すぐにポイントに着きますが花が見当たりません。
固体識別標識も例年より少ないように感じます。
「何っ!?何故!?一体全体どうしたことなんだろう?」
ちょっと焦りました。
でもそれは瞬く間に杞憂に帰しました。
ホテイランは花季を終えただけで広範囲にテリトリーを広げていたし、
数株のイチヨウランにも逢えました。

彼女たちに逢えたのでスキップを踏みながらルンルン歩いていくと、
ただ1ヶ所だけ大きく開けた白河原に差し掛かります。
そこには翌日歩くことになる横岳稜線の、
赤黒いゴジラの背中の威圧する容が蒼穹を限っていました。
「フェ~~~ッ!あそこまで登るの?」
「あそこを歩くの?」
「あんなとこ歩けるの?」


ほどなくして老若男女で賑わう行者小屋到着。
ここで昔の仲間4人と遭遇したのでエネルギーを補給しながらの談笑です。

この先八ヶ岳の主峰赤岳に向うに当って、
ほとんどの仲間は地蔵尾根経由か文三郎尾根経由を選択します。
私たち雨巻家族はいつも「実力+α」の山やコースを目指しているので、
中岳道~阿弥陀岳~中岳~赤岳のコース(8人)と文三郎尾根(3人)をチョイス。

文三郎尾根の鉄階段を登る私たち3人からは、
遠目ながらもトラバース道やザレの阿弥陀岳登山道で頑張る家族が見えます。
当然8人からも3人が見えているので大声でエールの交換。
そんな余興を交えながら漫歩する空間の狭間には峨々たる山稜が連なり、
眼下1000尺には沈思の森が幾重にも広がり、
足元には・・・花・花・花です。


自然からのプレゼントを享受しながらも鼻息荒く岩根を越えると、
そここそが八ヶ岳の主峰・赤岳(2899m)の天頂!
15時の天頂周辺は雲の侵食に遭って景色は狭められていましたが、
快哉!を叫ぶ3人の目に中岳山頂の8人が認められました。

16時、
いっときの間離散していた家族が握手と抱擁と笑顔の交換をしました。
ほとんどの家族にとって今日一日は「未知との遭遇!」
心地よい一日が心地よい疲労感と共にシットリ暮れていきました。

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美濃戸口を出発します

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美濃戸山荘で南沢コースと北沢コースに分かれます

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標識

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イチヨウラン(一葉蘭):花も葉も一個だけ

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同上

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南沢で唯一開けた白河原から横岳を見上げて「あそこは歩けないでしょ~!」

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行者小屋からの登山道で見かけた鹿

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コイワカガミ:可愛いし器量よしだし、目立つし何処にでもいてくれるし

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文三郎尾根からの阿弥陀岳と中岳とナナカマド

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こんな高所にヒメイチゲ。他にツガザクラやイワヒゲ、コケモモなど

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キバナシャクナゲが点々と。そして一面に

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阿弥陀岳への険路を登る8人を遠望

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阿弥陀岳と中岳(手前)

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ハクサンイチゲ:白馬の大出原とか飯豊の雪解け跡とか、湿生植物に思われ
がちだけれど、実は高山帯の乾いた草地を好むのだそうな

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イワウメ:高山帯の岩場に生える矮性低木。夏は可愛らしく秋は辰砂色が魅力

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ミヤマダイコンソウ:高山帯の風当たりの強い岩場に生える多年草。派手で目立って一度聞けば覚えられる花ですね
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同上



【6月24日 同上・2日目】


赤岳頂上山荘6:35発~横岳8:35発~硫黄岳山荘9:20着9:50発~
硫黄岳10:10発~赤岳鉱泉11:30着(昼食)12:10発~堰堤広場13:00発
~美濃戸13:40着13:50発~美濃戸口14:30着~もみの湯~益子



日の出前後の早暁の時空では、
天涯から足元に到るまで人智では及びもつかない壮大なドラマが上演されます。

天上にあって天空を隠してしまう満天の溜まり雲・・・
地表にあって地上の起伏を覆ってしまう海のようなたゆたい雲・・・
たゆたい雲に浮かぶ霊峰富士と群雄割拠のアルプスの峰々・・・
雲を引き裂いて差し込む黄金色した生命の輝きと温もり・・・
霧や雲に投影される尊き自分自身の御姿(ブロッケン現象)・・・。

それらのドラマを思いのままに観賞できた幸せに感謝しつつ赤岳に「さよなら~」
次なる目的のツクモグサとウルップソウを目指します。


八ヶ岳稜線に咲く花は二つだけではありません。
険しい岩稜帯とヤセ尾根なので大きな群落は見当たらないものの、
その種類の豊富さや固有種の存在においては尊ぶべきものがあります。
キバナノコマノツメ、ツガザクラ、イワヒゲ、イワウメ、ミヤマダイコンソウ、
コケモモ、コイワカガミ、キバナシャクナゲ、ハクサンイチゲ、チョウノスケソウ、
コマクサ、オヤマノエンドウ、その他数え切れず。
そしてツクモグサやウルップソウ。

白馬連峰に代表されるウルップソウが、
この八ヶ岳でも数多く観られることは特筆すべきことでしょう。
何てったって、
どこをどう探してもウルップソウを観られるのはこの二ヶ所だけですからね!

そのウルップソウは咲き初めの幼い姿ながら地蔵ノ頭を過ぎた付近から散見。
そしてタイトルのツクモグサ(北海道の数箇所と雪倉岳・白馬岳・八ヶ岳)は、
ホテイランと同様「特定群生地」などではなく横岳周辺に子孫を増やしてました。
デイダラボッチのみならず我がことのように喜んだ岳人はイッパイいるだろうな~
ただ独特の色合い(クリーム色)に欠けているのは何故?

またまたスキップ!またまたルンルン!です。
でも留まる時間が長く注意を要する岩尾根なのでスキップの時間はチョッピリ。
でもルンルン!は続きます。
硫黄岳山荘に近付くにつれ平らかになってくるので、
コマクサも加えて(砂礫を飾るには間がありそう)千紫万紅に出逢えるから。


硫黄岳山荘で快適なトイレをお借りし、
コーヒーやココアでまったりした時間と味を楽しみました。
「いいんだな~、これが」
一人歩きだと経験しがたいひと時なのでね~

そこから一登りでだだっ広い硫黄岳山頂到着。
でもだだっ広く穏かな山容は仮の姿であって、
北北東壁は垂直に切れ落ちたおどろおどろしい爆裂火口なんです。
怖いもの見たさで覗き込んだ数人は「オオ~、怖~っ!」
そして越しきし峰々を振り返っては「オオ~、凄~っ!」


赤岳鉱泉の屋根つきテーブルでパクパク、ペチャペチャ。
色とりどりのレインウェアで美濃戸口へ凱旋。
もみの湯で「ファフィ~、いい気持!」
睡眠導入剤4錠呑んでも寝付けなかった私はウツラウツラのまま助手席で帰宅。
何はともあれ「やっぱりイイな~、八ヶ岳は!」の2日間でした。

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ご来光を待ち侘びるデイダラボッチ

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ご来光:雲が厚かったのでちょっと遅刻したようです

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北ア:ご来光の設定のまま撮ってしまったのでこのような写真になりました

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ブロッケン現象:ブロッケン山の妖怪?

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横岳・硫黄岳・蓼科山

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南ア:左から北岳・甲斐駒ケ岳・仙丈ケ岳

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僅かに覗く富士山

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阿弥陀岳と北ア

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赤岳山頂に勢ぞろい。やっと頂上を後にします

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オヤマノエンドウ:高山帯の砂礫地や乾いた草地に生える多年草

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チョウノスケソウ:高山帯の砂礫地に生える落葉矮性低木。と言うことは
チングルマと同様“草”ではなく“木”なんですね。葉に特徴

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展望荘より赤岳を振り返り見る

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ツクモグサ:高山帯の乾いた草地に生える多年草
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同上
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同上
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同上

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ハクサンイチゲ:前述
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同上
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同上

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ウルップソウ:高山帯の砂礫地に生える多年草で、礼文島と北ア北部と八ヶ岳
だけに分布
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同上
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同上

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横岳のハシゴ場
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横岳のクサリ場

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ハクサンチドリ:亜高山帯~高山帯の草地に生える

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ミヤマシオガマ:高山帯の砂礫地に生える多年草

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千紫万紅乱れ咲き

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横岳にて

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硫黄岳にて

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終始ペースメーカーを務めてくれたイシちゃんを先頭に、赤岩ノ頭から赤岳鉱泉
へと降る。背景は硫黄岳

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オサバグサ

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マイヅルソウ

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北沢を降る。少しだけ雨に見舞われました

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この記事へのコメント

和子&徹也
2013年06月29日 22:34
八ヶ岳は花花花・・・・の山ですね。
ツクモグサ、ウルップソウ、キバナシャクナゲ、オサバグサまだ実物を見た事無いのでレポで楽しませて頂きました。
ウララさんも、ハッチャンも頑張ってますね。
八ヶ岳今年の夏にでも行ければ良いんですけど。
まずは、朝日連峰にアッタクして来ます。
2013年06月29日 23:05
和子&徹也さん、こんばんは。
ホテイランだけは花季を終えていて観られなかっ
たものの、イチヨウラン・ウルップソウ・ツクモ
グサといった本命が観られ、生まれたてのコマク
サにもお目にかかれました。掲載できなかった花
も含め予想外の花々に出逢えたので、フラワート
レックとしては大成功でした。
ヒメサユリとの逢瀬を楽しんできてください。
ほて
2013年06月30日 10:00
ホテイランは残念だったようですが、後のいろいろな花に会えてよかったですね。
10年前7月初旬に文三郎尾根~赤岳頂上小屋泊で初めてツクモグサを見たことを思い出します。天候に恵まれれば富士山はもとより南、北、中央アルプス、奥秩父、大菩薩嶺など360度の展望…行きたかった、でも汚屋敷が雑草に埋もれてしまうぅぅぅ・・・
2013年06月30日 16:48
ほてちゃん、こんにちは。
ホテイラン以外全て観られた花は90%の満足、
日光方面以外全て見られた景色は85%の満足、
それを足して2で割ると何故か100%の満足に
なります。
山歩きは算術じゃなく感覚が重要だから
くに
2013年06月30日 23:17
ああ、ツクモグサ・・・。
く~今年も行けなかったな~。
白馬ならこれからでしょうかね?
2013年06月30日 23:48
くにさん、こんばんは。
北ア北部の白馬ならツクモグサもウルップソウも
これからが本番でしょうね。

「あれも見たい、これも見たい」
花好きのくにさんにとって悩ましい季節だね~
セとナ
2013年07月01日 09:18
デイダラボッチさん、こんにちは。
飯豊からただいまです。
岩稜に咲く八ヶ岳の花もいいね~
でもホテイラン、イチヨウランは行者小屋に行く間
の林の中に咲いているんですね。
愛嬌のある顔に見えて思わずニッとしてしまいました。
ツクモグサにもまだあった事ないので
ツクモグサに合わせて登ってみたいな~
2013年07月01日 14:53
セとナさん、こんにちは。
晴天とメーンのヒメサユリに恵まれた飯豊山、
何よりでしたね。アプローチも含めての詳しい
レポを待望してます。
のんびり夫婦の山遊び
2013年07月01日 22:17
デイダラボッチさん、こんばんわ!
一昨年9月、私達は阿弥陀岳をスルーした同
じコースをあるきましたので、懐かしくレポ
を拝見しました。まずまずの天気で眺望も花
も楽しめて良かったですね。
八ヶ岳、歩きたくなりました。
2013年07月02日 07:00
のんびり夫婦の山遊びさん、おはようございます。
私と八ヶ岳との出会いは40数回に及びますが、
春夏秋冬での装いの違いはは当然のこと、同じ
時季でもその都度新鮮で新しい発見があります。
自然が一時も同じ姿を留めていないという証なん
でしょうね。
素晴しい器量を有する山。
安・近・短で訪ねられる山。
これからも足繁く通うと思います。
2013年08月02日 08:36
デイダラボッチさん おはようございます
30年程前に清里でキャンプし、美しの森から西方面の大きな山魂を見た記憶がありました。
その山が八ヶ岳だったと知ったのは趣味で単独登山を始めた2年と数ヶ月程前の事で、勿論、当時は登ろうとは全く思いもしませんでした。
テレビのデジタル放送開始後、日本百名山等の登山番組が多くなり、八ヶ岳も紹介されて登ってみたいと思うようになっていました。
雨巻家族の登山計画に「八ヶ岳」を見た時には迷わず参加申し込みをさせていただきました。
自分の登山計画には無かった阿弥陀岳~中岳~赤岳 途中文三郎尾根を行く仲間を得意の生目遠望で見つけてエール交換は\(^o^)/
期待してた翌朝の赤岳山頂小屋からの360度パノラマもバンザイ!朝日に光輝いた北アルプスの山々はその後のPCデスクトップで眺めていました♪
改めてありがとうございましたm(__)m
Kでした。
2013年08月03日 20:15
Kちゃん、こんばんは。
コメント欄の最後にぶら下がっていた(K)の文
字を今頃になって発見。コメント欄には5つしか
掲載されないので危うく見落とすところでした。
社山~黒檜を歩いたとのこと。花は期待できない
としても爽快な景色には恵まれたかな?
私の方は会駒単独の予定にスケッチ教室の2人が
加わり3人旅でした。登山というよりも逍遥とい
うに相応しいようなブラリ旅でした。
明日の準備があるので詳細は後ほど。

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