剱岳と立山(後編)

【7月14日 剱岳と立山(後編】


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雄山山頂からのパノラマ写真


2日目の計画
剣山荘(2475m)11:00発~剱沢キャンプ場11:30発~剱御前小舎
経由別山(2874m)13:00着(北峰(2880m)ピストン)13:40発~
巻道経由真砂岳(2861m)14:40着14:50発~内蔵助山荘(2800m)
14:55着(泊)

2日目の実際の行動
剣山荘12:00発~剱沢小屋12:40発~ダイレクトコース経由別山
14:05発~北峰はガスと残雪で中止~巻道と真砂岳経由~内蔵助
山荘15:05着(泊)

3日目の計画
内蔵助山荘6:00発~富士ノ折立(2999m)分岐7:00発~大汝山
(3015m)7:15着7:30発~雄山(3003m)7:50着8:10発~
一ノ越山荘(2700m)8:50着9:00発~東一ノ越10:00着
10:10発~くろべ平(1830m)11:50着(昼食)12:40発~扇沢
13:21着13:40発~薬師の湯~益子20:00着

3日目の実際の行動
内蔵助山荘6:25発~真砂岳6:45発~大汝山7:35着7:45発~
大休止~雄山8:20着9:05発~一ノ越山荘10:10着10:20発~
立山室堂山荘(2450m)10:50着11:05発~室堂11:15着
11:30発~扇沢13:21着13:30発~薬師の湯~益子19:20着



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毎回毎回Kちゃんがつくってくれる地図です。拡大してご覧ください


剱岳登頂を果たした後にいただく剣山荘のカレーは美味しいんですよ~。
でも写真は載せません。
何故って、
年々ご飯とカレーの分量が減っているから。
燃費がよくて羨ましがられるデイダラボッチだって50%増量でも食べきれちゃう。

何はともあれ謝意を表してから剱沢小屋に向いました。
フードは被っていても剱沢雪渓のカール状曲線がよ~くみえます。
「ナ~ンダ~、こんなところで3度も立ち止まってたのか~!?」

堅固な要塞の趣の剱沢小屋と富山県警派出所兼診療所をすり抜けると
そこに剱沢キャンプ場があります。
猛烈な風にあおられた無人のテントが空を舞う寸前で踏みとどまっていました。
テントは地上にあってなんぼのもの。
空を飛んだからとて誰も拍手喝采などしてくれません。
「義を見てせざるは勇なきなり」
ポールが折れる寸前で紐を固定しテント自体にも重しを乗せてあげました。
でも既に20cm四方ほどの穴が開いてました。


私たちの計画では剱御前小舎経由別山でした。
ちょっと遠回りになる分勾配が緩くて歩き易くて汗をかかないで済むから。
でも剣山荘出発時点で1時間の遅れを見ていたので、
急遽ダイレクトルートに変更しました。
汗はかいてもこれだけで15分は短縮できます。
雨巻家族の女性群は命の次に大切な化粧落ちを気にするだろうけど、
どっち道初日からビジョ(美女)ビジョ(美女)だもんね。

別山頂上も記念撮影だけでメイッパイの状況でした。
雪はつながってるし何も見えないので北峰ピストンも即中止しました。

別山から内蔵助山荘に向うには、
砂礫の道にジグを切って大きく降ることになります。
そのためミゾレ混じりの雨が交互に両頬を打つことになるのです。
その痛いの何のって!
その冷たいの何のって!
這松の風下に逃げ込まざるを得ません。
大自然から見れば紙一重の差なのに、
這松の風上と風下では天国と地獄の差でした。


一旦雨は上がり猛烈な風だけが辺り一面を支配しました。
身体は揺すられレインウェアはバタバタ暴れ、
ドラム式乾燥機に放り込まれた湿り物のようにウェアが見る見る内に乾いて
いきます。
「フェ~、この風は凄いな~!でも乾燥室いらずとは、シメシメ!」
ところがどっこいそうは問屋が卸しません。
真砂岳への巻道、真砂岳、内蔵助山荘と土砂降りに合い悔しいかな
元の木阿弥となりました。
濡れ鼠を通り越して濡れ溝鼠(どぶねずみ)で山荘に転がり込んだのでした。


内蔵助山荘は3年前に内装替えされたとのことで、
居室・談話室・廊下・食堂・厨房などがキレイになっていました。
いつもながらに居心地のいい山荘です。
でも狭さだけはカバーしきれず、
乾燥室は3帖ほどだし自炊室は玄関土間という始末でした。

剣山荘同様美味しい夕食をいただきユッタリ休めました。
私!?
この夜も大風と大雨。
睡眠導入剤を夜中に追加して飲んだのですが・・・。



【7月15日 剱岳と立山(後編】


「一ノ越からくろべ平に降る垂涎のコースはおそらく立入禁止になっている
だろう。であれば5時30分からの朝食を摂ってユックリ出発することにしよう」
その約束事に従ってみんなは行動してました。
私は、
持続性の高い睡眠導入剤を寝しなと真夜中に続けに飲んだせいでしょうか?
頭がガンガン痛みます。
脳はもうろう眼はうつろ目は渋々です。
これで果たして歩けるのか知らん。
頭痛薬をも飲むハメになりました。

少食には違いないけどどんな状況下にあっても食事が喉を通るのは
ありがたいことです。
その食事中に
「今日の予報は雨のち曇りのち晴れです」
とのご託宣。
一斉の歓声に小さな食堂が膨れ上がったような・・・?


朝食後既に雨は上がっていましたが、
相変わらず風が渦巻いていて寒いので全員レインウェアを着けての出発。
20分で真砂岳。
途中目に飛び込んできたものは富士ノ折立の岩峰だけというモノクロ状態に
全く変化はなかったけれど、
更に50分で到着した立山最高峰の大汝山では、
身体いっぱいに陽の温もりが感じられたのでした。
これまでにも益して甲高いバンザ~イ!が巨岩をも揺るがしました。

大汝山と雄山は指呼の距離にあります。
なのに35分も要しています。
その訳は
「50%の確立でブロッケン現象が見られると思う!」
と私が宣言したからです。
東の雲に太陽は隠れてますが温もりだけは届けてくれています。
遮るもののない稜線に私たちはいます。
西側の斜面も谷も雲に埋め尽くされています。
足りないものは光だけなのです。
私は岩の突端の特等席に陣取りました。
みんなはまんじりともせず太陽を見上げ
「ソレッ!ソレッ!(太陽が顔を出すよう催促してる)」
「フ~ッ!フ~ッ!(雲を吹き飛ばそうとしてる)」

「アッ、ブロッケンだ~~~!」
特等席の真下に現われたブロッケンの妖怪(御来迎)は、
素っ頓狂な言葉が終わるか終わらないかのうたかたの間に
消えてなくなりました。
私以外誰も目撃していません。
「何としても見せてあげたかったのにな~・・・」
諦めきれずに見上げると雄山の天辺だけは雲を割っていて、
そこには「天空のラピュタ」と思しき「雄山神社」が鎮座ましましていた
のでした。


標高では大汝山に一歩譲るものの立山を代表するのはやはり雄山でしょう。
その雄山に到着しました。
私たちの到着を待っていたかのように雲の緞帳が上がり、
立山カルデラ・雷鳥平・室堂平・山崎カール・大日連峰などそうそうたる
景観のご開帳が始まりました。

カルデラでは滴る緑の中に地塘が光り踊り、
カールや平では体をくねらせたシャチが泳ぎ、
斜面ではゼブラが駆け回っています、気持よさそうに。

ご開帳は留まるところを知りません。
東側に張り付いた雲を境とした稜線に一筋のトレースを刻みながら、
大汝山・富士ノ折立・真砂岳・別山と別山北峰が拮抗した峰を連ねています。
剱御前・一服剱・前剱三兄弟は峨々たる容姿で前衛を務め、
最奥の要に君臨するのはあぐらを組んで居丈高な剱岳。
侍従は八峰や北方稜線の峰々と言ったところ?

グルッと見渡すと巨人・薬師岳が泰然自若、
カールを抱いた黒部五郎岳は鉄兜姿・笠ケ岳は菅笠姿、
赤牛岳・水晶岳・鷲羽岳は峰を重ね合わせて自己主張を控えています。
強烈に自己主張するのは槍ヶ岳とその連峰・ギザギザ頭の穂高岳連峰です。

富山平野の市街や富山湾も黒衣を脱ぎ捨てて参入。


剱岳もそうでした。
立山もそうです。
終わりよければ全てよしです。
この日も〆は感謝!感謝!感謝!


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剣山荘を出発します

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剣山荘から剱沢雪渓をトラバースして剱沢小屋へ

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同上をちょっとアップ

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剱沢小屋を下に見て

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別山山頂の祠前にて。上の写真から大きく飛んだのは悪天候だったから

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内蔵助山荘から真砂岳へ

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真砂岳にて

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大汝山山頂で巨岩を揺するようなバンザ~イ!

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現われそうでなかなか現われないブロッケンを待ちます

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同上。私は特等席で待ちましたが・・・

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雄山神社に着いてホッと一息

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雄山山頂にて。ここに到着するまでの悪天候を思うと、こんな映像でも夢を見て
いる気分になります

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雄山山頂よりの剱岳と別山と別山北峰

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雄山山頂よりの剱岳

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雄山山頂のコンセーレ・ハイキング・クラブ(CHC)の4人。「剱岳と立山」「白馬岳
と不帰キレット」はこの人たちの発案によります。奥は剱岳

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同上。裏は大日岳と奥大日岳

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大日岳と奥大日岳とシャチ

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終始最後尾を担ってくれたナカちゃんに敬意を表して

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槍ヶ岳・穂高岳方面

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薬師岳・黒部五郎岳方面

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晴々下山

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一ノ越着。一足先に降ってくろべ平への道を調べましたがやはり立入禁止でした

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室堂へ

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シナノキンバイ

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タカネヤハズハハコ

*今回も雨巻家族の写真をたくさん使わせてもらいました。ありがとう!*

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この記事へのコメント

のんびり夫婦の山遊び
2013年07月19日 08:30
デイダラボッチさん、お早うございます。
雨のなかの剣岳とは皆さんには恐れ入ります。
立山では眺望も得られ、良かったですね。
私達は明日から花見に双六岳・三俣蓮華岳を歩こう
かと考えています。
2013年07月19日 09:01
おはようございます。
双六岳と三俣蓮華岳となると新穂高温泉からに
なりますね。双六岳は大好きな山です。
広い稜線を歩いていると、雲の架け橋を伝って
槍ヶ岳まで行けてしまうような錯覚に陥ります。
1日追加して笠ケ岳に登ることをお勧めします。
パノラマビューと同じ道を歩かないで戻れる
というメリットがありますから。
セとナ
2013年07月19日 12:44
デイダラボッチさん、こんにちは。
超早!
お陰で首長族にスカウトされずにすみました(笑)
雄山から剱岳にかかる雲の感じ最高!
嵐も吹けば雨も降る~♪
でも終わりよければ全てよしですよね。
明日からの不帰キレットもきっと楽しい山に
なるでしょうね。
余談ですが・・・
ナの眠り薬はセの一言
「寝てていいよ」
「デイダラボッチさん寝てていいよ」
優しく声をかけてもらって下さいな。
きっと直ぐに夢の中間違いなしですよ(笑)

2013年07月19日 17:15
セとナさん、こんにちは。
欲を言えば限がないけど、散々傷めつけられた後
だったので、あの中途半端な景色でも十分に癒さ
れ、満たされ、笑顔で山旅を終えることができま
した。良くも悪くも一緒に奮闘した家族にとって
は忘れ得ない山行になったことでしょう。
私の現在の立ち位置は「思い出配達人」。
その意味から行けば役目は果たせたかな?

ナさんの周りには易しい人たちが大勢いて羨まし
いな~。私の耳に飛び込んでくる言葉は
「何をグズグズしてる~!」
「早く起きろ~!」
の罵声ばかりです。
トホホホホ・・・・。
和子&徹也
2013年07月19日 19:22
デイダラボッチさん 剣岳良い山ですね。
この時期にみぞれが降るなんてビックリです。
展望も良さそうですね。
明日早朝に日光白根山に行って来ます。
コマクサが咲いている事を願ってます。
秋に何処か御一緒して下さい。
楽しみにしてます。
2013年07月19日 19:38
和子&徹也さん、こんばんは。
北アルプスには錚々たる高峰が聳えています。
3000mに1mだけ足りない小兵の剱岳は、
筋骨隆々の千代の富士敵存在でそれらに伍してい
ます。いい山です。

白根山でコマクサに逢えることを祈ってます。
私もそろそろ寝床に入って、明日からの白馬岳
と不帰キレットに備えなきゃあ。
おやすみなさい。
のんびり夫婦の山遊び
2013年07月24日 08:24
デイダラボッチさん、有難うございました。
お勧めいただいたとおり、双六岳・笠ヶ岳
を歩いてきました。展望良し、花良し、そ
して急峻な雪渓ありと変化に富んだ素晴ら
しい稜線歩きを堪能できました。
帰りの笠新道も遠望はありませんでしたが、
ササユリが咲いており、感激しました。
感謝です。
2013年07月24日 16:22
のんびり夫婦の山遊びさん、こんにちは。
双六岳~笠ケ岳の縦走おめでとうございます。
多分20日出発だったと思うので、
日程は北ア北部の白馬・不帰嶮・唐松岳と北ア
南部の双六・笠が重なっていたことになり、
天気も先ず先ずだったかと思います。
私たちも久々の好天の下、満足のいく山旅が
できました。
今チョット前に1日目をアップしました。
ちい
2013年08月13日 19:36
デイダラボッチさん、こんばんは!
やりました!やりましたよ!!!!!
行きたいと思った時しか行けないと思ったので、
思い切って行って来ました!
お天気は最高!
とにかく無我夢中で進む事意外は考えず、
何とか行って帰って来ました!
改めて雨の中を進んだ雨巻家族に敬意です
でも私もよくやった(笑)
2013年08月13日 21:45
ちい&カッチン、こんばんは。
オヤオヤ?冷静なちいさんが興奮して何ごとです
?!ちい&カッチンにとって剱岳は難しくも何と
もないと思ってましたよ、デイダラボッチは。
シッカリ安全対策が図られてる山だものね。
でも正直なところ、週末は槍ヶ岳に登ってると思
ってたからこのページへのコメントにビックリ!

兎にも角にもおめでとう!
イケちゃんも喜んでるね、バンザイしながら。

残るはロイミー♪ちゃんの槍ヶ岳登頂のみ?
イザ!という時はロープ背負って駆けつけます。

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